国恩祭

町々村々の鎮守のお社で、盛大に繰り広げられるお祭りは、秋の播州路を彩る風物詩である。締め込みをキリリとしめて揃いの袖抜き、鉢巻、そして法被を身にまとった若衆が屋台を担ぎ、練りあわす。就職や進学のために故郷を離れている若者も、盆暮れに親元に帰省しなくとも秋の祭りには必ず帰ってくる猛者も多い。
意外と知られていないが、祭り好きの播州人は毎年5月にも祭事を営んでいる。旧加古郡と印南郡の22の社が、2社ずつ輪番で務める「国恩祭」だ。

今年は、わが町の“曽根天満宮”と隣町の“荒井神社”が11年に一度の当番で、ゴールデンウィークの5月3~5日の3日間、初夏の祭典が執り行われる。
国恩祭の歴史は古く、江戸時代末期の天保年間に起こった大飢饉(1830年代)に由来する。飢饉による人心荒廃を憂いた加古(旧・加古郡)と伊奈美(旧・印南郡)の神職が集まって、「祓講」という組合組織を結成して、郷土の繁栄と安泰を祈願する臨時の大祭をおこなったのが始まりと言われている。

11年毎の節目となる大行事ということで、各神社では当番が回ってくる年を見計らい、氏子の協力を得てお社の施設整備が行われる。ふるさとの中核施設が、住民の力で計画的に整備充実されていくことは、地域の縁を強め、活力ある社会を育むという意味でも、とても良い慣例である。
わが町でも、前回(平成14年)の国恩祭の際は、祭神である菅原道真公没後1100年目に重なったこともあり、各屋台とも布団屋根の衣装を変えるなど様々な趣向を凝らしていた。今回も前回に劣らず周到に準備が進められていることだろう。

恒例の屋台練りが行われる3日4日の両日とも、幸い晴天に恵まれそうだ。夏に向かうこの時期、担ぎ手にとっては気温が高くなりすぎると体力の消耗が激しくなるが、見物していただくには絶好の天気となりそうである。

連休中にお時間のある方は、是非、曽根天満宮にご来訪いただきたい。

アベノミクスの効果で、日本経済は現代の大飢饉ともいえる平成デフレから脱却しつつある。このゴールデンウィークの旅行消費も、明るさを増す景況とともに大きく上向いている。特に高額の国内旅行の活況は内需を拡大し、GDPを牽引する力となるだろう。
連休が終われば国会は終盤の論戦を迎える。与党の一員として、アベノミクスの第3の矢である成長戦略をしっかり仕上げるため全力を尽くしたい。