2014 年頭の挨拶

明けましておめでとうございます。健やかな初春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

第二次安倍内閣の発足から1年。アベノミクス効果により日本の景気は着実に上昇を続け、デフレ脱却まであと一歩の段階に達しました。人口が減少する中で、この成長軌道を確かなものとするためには、大胆に経済構造を転換し生産性を高めていく必要があります。TPPによる通商ルールの革新と、先の臨時国会で成立した国家戦略特区法や産業競争力強化法を突破口に規制改革を実現し、アジア太平洋、そして世界経済を牽引する力強い日本経済を再興しなければなりません。

社会保障制度改革も待ったなしです。年々増大する年金・医療保険・介護保険給付に歯止めをかけなくては、持続可能な制度の維持は叶いません。我が国に続き成熟社会を迎えるアジア諸国の模範となるためにも、負担を先送りすることなく、社会保障制度改革プログラム法に基づき、一つひとつ課題を解決し、高齢社会の安心の基盤を築きます。

一方、世界の情勢に目を向けると、ユーロ圏の財政危機は一息ついた感はあるものの、アラブ諸国の民主化は未だ定着せず、宗教・民族間の対立状況が続いています。さらに東アジアにおいても領土問題をめぐる拡張主義の台頭により、地域の混乱が懸念されます。
我が国も靖国神社に関する諸外国の誤解の解消を急がなくてはなりません。私たちは日本のために命を捧げた先人への感謝の念を込めて参拝するのであり、先の戦争を肯定している訳ではありません。
 
歴史を振り返れば私たちの日本は「和」を重んじる国。八百万の神々のもと、仏教をはじめ多数の宗教を受け入れ融合させてきました。相手の立場を思いやり、融和する優れた力を備えていると言えるのではないでしょうか。

今年2月には平和の祭典「冬季オリンピック」が開催されます。古代ギリシアの時代からオリンピックの期間中は、いかなる争いも停戦するのが国際慣例です。この機会をとらえ、我が国が世界平和への対話をリードし、そして東京オリンピック・パラリンピックの大成功につなげたいものです。 

難局への対応力こそが未来への扉を開く鍵になります。国民の皆様の信頼を第一に、内外に山積する課題に立ち向かい、自由で活力ある日本の未来を切り拓くべく更なる努力を重ねて参ります。今年も格別のご指導とご鞭撻をお願いいたします。
年初にあたり、今年1年の皆様方のご健勝とご多幸をお祈り致します。