地方分権

今年もまた自宅のある曽根のまちがざわつき始めた。9月も末となり秋祭りまで20日足らず。自然とまちの気分が祭りモードになっていく。

この地方、播州の浜手は、10月初旬から20日頃まで太鼓の音と若者の歓声でわき上がる。進学や就職のために故郷を離れた若者たちも、盆暮れに里帰りしなくとも、秋の祭りには必ず帰ってくる。
親分子分、連中(※)といわれるこの地に特有の絆で結びつけられた結束力は強烈だ。

我がまち、曽根天満宮の秋季例大祭は、10月の13日と14日。約400年の間、この日付は変わらない。
一昔前、学校も工場も両日は強制休業だった時もあるらしい。操業しようにも、授業しようにも、誰も出てこないのだから仕方がない。
この町の人々の暮らしは、祭りを中心に回っていると言っても過言ではない。

外から見れば俄かに理解しがたいことかもしれないが、そういう地域固有の文化があっても良い。
八百万の神々を認めてきた日本なのだ。全国画一的に休暇を取る必要はない。
地域固有の休日をどんどん創ればよいのではないだろうか。例えば先日の敬老の日は、旧多可郡野間谷村(現多可町八千代区)が始めた「としよりの日」がその起源だ。

「地方分権」とか「地域主権」と言うと難しげだが、こういう単純なところから入っていけば理解しやすい。
東京と兵庫が同じである必要はないし、神戸と高砂が同じである必要もない。
誰もが難しい方程式を解ける必要はないし、誰もが疾風のように駆けられる必要もない。
そう思えば、画一的で無意味な競争から解き放たれ、自由にのびのびと持てる力を発揮できるのではないか。

個人も地方も、個性を生かすことに活路を見いだせば良いのだ。
個性は主観で決まる。思うところを行えば自ずと分権、自立の社会が拓けるのではないだろうか‥‥。

故郷の人々をそんな思いにさせてくれるオンリーワンの秋祭りが、今年ももうすぐやって来る。
祭りは、それぞれの地域性を発揮する最高の舞台だ!各地域で祭りに参加しよう!
そして都合が良ければ10月13・14日は曽根天満宮を訪れていただきたい。
そのついでに我が家にも立ち寄って下さい。

※曽根天満宮の氏子は高校生くらいになると友人(5~10人)で連中というグループを作り、一世代上のリーダーとの間で親分子分という絆を結ぶ。