新世紀レポートより
2008/04/30
 3月に入って暖かい日が続き、全国各地からは例年より早く桜の便りが届きました。満開の時期は、平年より1週間前後早いところが多かったようです。
 さて去年9月26日、安倍内閣にかわって発足した福田内閣で、文部科学大臣に就任いたしました。そのわずか1ヶ月前、安倍内閣の改造に伴う党役員人事で、自民党の政務調査会長代理に就任し、政府・与党の政策全体をとりまとめる重責に気を引き締めて取組み始めていた矢先だっただけに、思いもかけない大臣就任でした。とはいえ、これまで科学技術政務次官や文部科学副大臣をつとめ、何よりも科学技術の振興と教育を自らのライフワークとして思い定めてきただけに、やりがいのあるポストを与えられたことは、政治家冥利につきるものでした。
 大臣就任早々から、相撲協会の問題や沖縄戦をめぐる教科書の記述問題などの対応に追われ、慌しいスタートとなりました。それでも、昨年年末の予算編成では、教育再生会議の最終報告に盛り込まれた「社会総がかりでの教育再生」を実効あるものにするため、財務省との折衝にあたり、教職員の1,000人純増や7,000人の外部人材の活用など、教育の拡充に向けた施策を盛り込む事が出来ました。また今年3月には、10年ぶりとなる学習指導要領の改訂を行いました。新指導要領では「生きる力」を育むという理念を継承しつつ、教育基本法の改正等を踏まえて教育内容を見直し、基本的な知識・技能を確実に習得させるとともに思考力や判断力を育むため、授業時間の増加や国語教育・理数教育の充実などを掲げています。又、道徳教育や体育などの充実により、豊かな心・健やかな体を育成することを目指しています。一方、科学技術の分野では世界最先端の成果を挙げている「iPS
細胞」による再生医療の研究を更に加速させるため、研究費として前年の10倍以上にあたる30億円を投入することを決定しました。H-UAロケットの打ち上げにも相次いで成功し、日本のロケット技術の信頼性の高さを改めて示しました。
 教育の振興や科学技術の発展が日本の将来を見据えたとき、欠くべからざるものであることは万人の認めるところであると思います。文部科学大臣として今後も緊張感とスピード感をもって職務に取組んでいきたいと考えています。
 ところで、福田内閣は、小泉・安倍両内閣とは趣を異にし、落ち着いて政策を進めていくことを、当初、多くの人が期待したはずでした。ところが、「ねじれ国会」のもと、民主党が対決姿勢を鮮明にしたことで、さしあたっての懸案処理に追われ、残念ながら福田内閣らしさが、まだ十分に出し切れていないのが現状のように思います。
 日本のような衆・参二院制度において、二大政党化が進めば、国会の「ねじれ状態」はいつでも起こりうる状態です。こうした中では、政府・与党の責任については言うまでもありませんが、野党にもいたずらに対決を煽るだけでなく、新たな事態に対応する政治責任が生じるはずです。かつて、ドイツの学者マックス・ヴェーバーは、『職業としての政治』の中で、「政治家の活動には不可避的な手段としての権力の追求がつきもの」であり、権力が与える「一種昂揚した気分」に常に直面していると指摘しています。そして、この感情を克服するため、政治家には「情熱・責任感・判断力の資質が特に重要」であり「政治とは、情熱と判断力を駆使しながら硬い板に力をこめてじわじわと穴をくり貫いていく作業である」と結んでいます。アメリカ発の金融不安による株安や円高、投機マネーが引き起こす原油や小麦の価格高騰などで、景気にかげりが出てきている中、政治の不在、政治の無為と揶揄されるような状態が国民生活に深刻な影響を与えるような事があってはなりません。「ねじれ国会」だからこそ「ねじれ国会」での新しい国会のあり方を見い出す知恵を政治家が出し合うことが、国民の負託に応える道だと信じています。
 これからも皆様の声をお聞かせ下さい。その声に耳を傾けながら政治活動に懸命に取組んでいく所存です。引き続き格別のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、ご挨拶と致します。

平成二十年 年頭の所感
2008/01/24
 平成二十年の新春を迎え、謹んでお慶びを申し上げます。
 昨年九月の就任以来、私は教育再生、科学技術・学術、スポーツ・文化芸術の振興に全力を挙げて取り組んでまいりました。年頭にあたり、国民各位の期待にこたえる文部科学行政の推進に向けて、決意を新たにしております。

(新しい教育基本法を踏まえた教育再生の推進)
 昨年は、教育三法の成立をはじめ、新しい教育基本法の理念を踏まえた諸改革が名実ともにスタートしました。本年は、引き続き関係法制の整備を進めるとともに、教育施策の総合的・計画的な推進を図るため、改正教育基本法に定められた教育振興基本計画を策定し、教育再生の道筋を明確にします。

(教員の資質・能力の向上)
 教育再生の取組を真に実効あるものとするためには、教員に優れた人材を確保し、頑張る教員を支援することが不可欠です。
 このため、千人の純増を含む教職員定数の改善、外部人材の活用、事務の外部化等を通じた学校現場の負担軽減によって教員の子どもと向き合う時間を拡充するとともに、部活動手当等の拡充、副校長・主幹教諭等の新たな職の処遇等を通じ、メリハリある教員給与体系を構築し、優れた教員の確保に取り組みます。
 また、教員免許更新制の円滑な実施や、指導が不適切な教員に対する人事管理システムの厳格な運用に取り組むとともに、教員評価の徹底や現職研修の充実などの取組を通じて「教えるプロ」としての教師の資質向上に取り組みます。

(確かな学力、豊かな心、健やかな体の育成)
 児童生徒の学力については、全国学力・学習状況調査やOECDのPISA調査の結果等によると、基礎的・基本的な知識や技能を実生活で活用する能力等に課題があることが明確になっています。
 本年三月に予定している学習指導要領の全面改訂においては、このような課題を踏まえ、「生きる力」をはぐくむという現行学習指導要領の理念を継承しつつ、基礎的・基本的な知識・技能を確実に定着させるとともに、知識・技能を活用した課題解決に必要な思考力・判断力・表現力や学ぶ意欲などを育むため、授業時数の増加、国語教育、理数教育、外国語教育や情報教育の充実を図ります。併せて総合的な学力向上策を講ずることにより、すべての子どもたちに「確かな学力」を身につけます。なお、可能なものは平成二十一年度から先行実施します。
 また、規範意識や倫理観と豊かな人間性や社会性を育むため、学校・家庭・地域社会が一体となった道徳教育、集団宿泊活動、職場体験活動、奉仕体験活動、読書活動などの充実を図ります。
 さらに、学校体育や運動部活動の充実などを通じた子どもの体力向上、メンタルヘルスに関する課題やアレルギー疾患などに対応した学校保健の充実を進めるとともに、栄養教諭を中核とする食育の取組を推進します。

(特別支援教育、幼児教育の振興等)
 発達障害を含む障害のある子どもたち一人ひとりの教育的ニーズに応じた特別支援教育や、外国人児童生徒の教育の一層の充実に取り組みます。
 また、幼児教育の無償化については、将来の国民負担の議論を踏まえ、財源・制度等の問題を総合的に検討するとともに、認定こども園制度の活用促進をはじめとした幼児教育の振興を図ります。

(安全・安心な教育環境の整備)
 子どもたちが一日の大半を過ごす活動の場であり地域住民の応急避難場所ともなる学校施設の耐震化を一層推進します。
 子どもたちや教職員が犠牲となるような悲惨な事件を防ぐため、地域ぐるみで学校・通学路の安全を確保する取組を進めるとともに、情報モラル教育や、青少年を取り巻く有害環境対策の充実を図ります。
 いじめ問題に対しては、早期発見・早期対応を推進し、スクールカウンセラーの配置や二十四時間いじめ相談ダイヤルなどの教育相談体制の充実、いじめを許さない学級づくりに取り組みます。

(学校・家庭・地域の連携等)
 真の教育再生は、信頼される学校づくりと家庭・地域の教育力の向上とが相まってはじめて達成されるものです。
 このため、引き続き全国学力・学習状況調査を実施し、各学校の教育活動等の改善を図るとともに、保護者や地域住民による評価や第三者評価を含めた学校評価の更なる定着と情報公開を進めるなど、保護者や地域住民の参画による学校づくりを進めます。
 また、各地域に「家庭教育支援チーム」を創設し、子育てに関する情報や学習機会の提供、相談体制の充実など、きめ細かな家庭教育支援を推進します。
 さらに、全国の中学校区単位で地域が学校教育を支援する体制を構築する「学校支援地域本部事業」を新たに実施するとともに、放課後等の子どもの安全・安心な活動拠点を確保する「放課後子どもプラン」を引き続き推進します。

 なお、教科書検定については、教科用図書検定調査審議会における審議の透明性の向上などについてのご指摘を踏まえ、教科書の内容がより充実したものになるよう、手続きの改善方策を検討します。

(大学改革の推進)
 「知識基盤社会」における大学の役割は、豊かな教養と専門的知識を備えた人材を養成するとともに、優れた研究により「知」の創造と発展を図り、社会に貢献することです。
 各大学がこのような役割を十分に果たせるよう、国立大学法人運営費交付金や私学助成などの基盤的経費を措置するとともに、国公私立大学を通じた競争的な環境を整え、世界最高水準の教育研究拠点の形成、地域振興の核となる大学間の戦略的な連携強化、大学教育の質の向上、高度専門職業人の養成、産学連携等を通じた人材養成など、各大学が持つ多様な機能に応じた支援を行います。また、留学生交流の拡充、国際的な大学間の相互連携などを推進するとともに、奨学金の拡充など学生への支援に精力的に取り組みます。
 さらに、へき地や小児科、産科などの診療科における医師不足の深刻化を踏まえ、地域医療を担うこれらの医師の養成・確保に全力で取り組みます。

(科学技術・学術の振興)
 科学技術・学術は我が国が豊かに発展していくための原動力であり、その振興が不可欠です。昨年も、ヒト人工多能性幹細胞の樹立や、月表面のハイビジョン映像を撮影した月周回衛星「かぐや」の打上げなど世界に誇れる成果が上がりました。特に、ヒト人工多能性幹細胞に関する研究は再生医療の実現に向け極めて重要であり、早急にオールジャパンの推進体制を構築してまいります。
 科学技術創造立国として、我が国がこのような成果を今後とも生み育てるためにも、大学や研究機関、産業界、地方、国が各々の能力を最大限に発揮し、一体となってイノベーションを創出・促進しうる環境の醸成が重要です。
 このため、世界をリードする優秀な人材を養成・確保し、その能力が十分に発揮されるよう、若手や女性、外国人など多様な人材が活躍できる研究環境の整備などに努めます。また、国立大学や研究機関等の先端研究施設の整備充実や共同利用の促進、科学研究費補助金など競争的資金の拡充、世界最高水準の研究拠点の整備に努めます。そして、独創的・先端的な基礎研究から生まれたイノベーションの種を実らせる仕組みを強化すべく、産学官連携の強化や地域の活性化にも資する知的クラスターの創成等に努めます。また、不合理な重複や過度の集中を排除し、研究費を効果的に配分するため、府省共通研究開発管理システム(e-Rad)を本年一月から前倒しして運用します。
 ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料、原子力、宇宙・航空、地震・防災、南極・海洋等の各分野の研究開発については、安全・安心の確保など社会・国民のニーズの高いものや、国際競争力の強化や国際社会への貢献に資するものなど、選択と集中を図りながら戦略的に推進します。宇宙輸送システム、世界最高性能の次世代スーパーコンピュータ、海洋地球観測探査システム、X線自由電子レーザー、高速増殖炉サイクル技術の五つの国家基幹技術の研究開発についても、着実に推進します。
 政府全体の「科学技術外交」推進の方針を踏まえ、先端科学技術分野での戦略的な国際協力を推進します。また、エネルギー・環境問題、防災や感染症対策といった地球的課題の解決に向け、我が国の知見を生かした国際協力を推進します。

(スポーツ・文化の振興)
 世界の桧舞台で活躍できるトップレベル競技者の育成・強化に努め、本年八月の北京オリンピック競技大会において日本選手団が活躍できるようにするとともに、二〇一六年オリンピック競技大会の日本開催の実現に向けて、積極的に招致活動を支援します。また、総合型地域スポーツクラブの育成・支援などに努め、生涯スポーツ社会の実現を図ります。
 文化芸術立国の実現を目指し、我が国の文化芸術の継承・発展・創造を担う人材の育成、子どもの文化芸術活動の充実、文化財の保存・活用、国際文化交流・協力を通じた文化発信に積極的に取り組みます。また、まちづくりなどの関連分野とも連携して地域文化の振興を通じた地域活性化の取組を支援します。さらに、新しい時代に対応した著作権施策を推進するとともに、国語の正しい理解が進むよう努めます。

 私としては、国民の皆様の強い期待を真摯に受け止め、スピード感と緊張感を持って様々な取組を力強く進めてまいりたいと考えております。引き続き、関係各位のご指導とご鞭撻を頂きますよう心よりお願い申し上げます。

文部科学省ホームページより

臨時国会をまえに
2007/08/17
 参議院選挙の厳しい結果を受けて、今の路線の延長線上では国民の支持は得られないのではとの危機感を共有する議員と昼食を伴にして意見交換を行ったところ、反安倍グループ旗揚げのごとき報道をされ、結構な騒ぎになりました。

 マスコミのその種レッテル貼りは毎度の事ではありますが、今回はメンバーの二人に官房長官がわざわざ事情を聴取しに来たとの事。

 この難局を挙党一致で乗り切るためとの事らしいですが、挙党一致とは議論すらしないと言う事ではないはずです。

 衆参のねじれ状態で迎える次の国会における本格的な論戦に備えるためにも、まず我が党内で基本的な政策や路線が今のままでよいのか否か、キチッと詰めておく必要があると思います。

 自民党は懐の深い党であるはずです。

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