平和の誓い

今年もまた終戦記念日(8月15日)がやって来る。

先の大戦を実体験された方々は、年々少なくなっていくが、我々日本人は戦争の悲惨な経験、アジア諸国に与えた影響をしっかりと未来に引き継いでいかなくてはならない。そして、平和への誓いを新たに世界に発信する。終戦記念日はそんな一日としなければならない。

 

幸い、今でも8月になると大戦にまつわる報道やドラマなど、多くの特別番組が見られる。戦後70年の節目となる今年は、沖縄米軍基地問題や安全保障法制の国会審議とも相まって、過去を振り返るドキュメンタリーが例年より多数制作されているように思う。

なかでも「日本のいちばんながい日」。映画の宣伝をするつもりはないが、終戦の玉音放送にたどり着くまでの一昼夜、始めてしまった戦争を終わらせることがいかに難しいかを描いた秀逸な作品だ。

 

全国各地でも様々の追悼行事も行われている。6日には広島で、9日には長崎で原爆犠牲者を悼む平和祈念式典が行われ、多くの参列者が数多の御霊の鎮魂を祈り、平和への誓い新たにした。

 

私は10日に、地元加古川市の日岡神社で催された“戦没者慰霊祭・重巡「加古」慰霊祭”に、地域の皆さんと一緒に参加させていただいた。祭事は、日清戦争の戦没者を顕彰する「義勇奉公之碑」(明治29年建立)前で、厳かに執り行われた。

この神社では、かつて戦陣に散った英霊を祀る慰霊祭を毎年行っていたという。昨年、途絶えていた祭事を再興するとともに、今年は「加古川」に由来する旧帝国海軍の重巡洋艦「加古」の慰霊祭も合わせて挙行された。その艦内には日岡神社から“日岡大神”が分霊されていた由縁でもある。

 

14日には安倍総理が「戦後70年談話」を発表することになっている。

この談話の原案をまとめるために有識者会議が組織され、すでに議論は終わり、報告書が提出されているが、私はその内容は全体的に評価すべきものと思う。

あとは、この原案をもとに、総理がどのような味付けをするか? 具体的な表現ぶりは発表当日までわからないが、歴史と真摯に向き合いその反省の上に立って、日本のこれからについて未来へのメッセージとなるものにして欲しい。

 

15日には日本武道館での「全国戦没者追悼式」に参加する。国政に参画する者の当然の責務との思いから初当選以来、機会を与えられれば(議席を有していれば)必ず出席してきた。節目の年に、改めて戦没者を追悼するとともに不戦と平和への誓いを新たにしたい。

 

※「加古」級の巡洋艦は船体の大きさの割に大砲、魚雷などが重装備で高速性能を有していたため、大正15年の建造時には、世界の海軍関係者を驚愕させた。一説では、当時世界一の海軍力を保持していた英国から設計図購入オファーがあったともいう。

「加古」は大東亜戦争当時には旧式艦と言わざるを得なかったが、開戦から奮戦をつづけた。だが、昭和17年8月10日、大戦果を挙げた第一次ソロモン海戦の帰路、米潜水艦の魚雷攻撃により沈没した。718名が乗艦していたが、うち戦死者68名を数える。

日本の夏

今年は台風の当り年かもしれない。7月までに13号も発生したのは26年ぶりのことだ。また、例年ならこの時期、中国大陸に向かうはずの台風が、11、12号と相次いで日本列島に上陸。梅雨前線上に停滞する雨雲とも相まって各地で豪雨被害を被った。なかでも岡山から鳥取にかけて横断した11号は、兵庫県下にも記録的な大雨をもたらした。

2つの台風が通過し、日本列島が梅雨明けするとともに、高気圧は北西へ移動し、日本列島の真上に居座り、列島各地で35度を記録する猛暑の日々が続いている。

地球温暖化の影響か、従来の“定説”が通用しない気象が世界各地で発生している。台風に限らず異常気象への備えを高めていかなければならない。当面は、南の海上で発生した台風13号の針路に注意しながら、適切な水分補給、無理な屋外作業を避ける等々、「熱中症」への備えにも気を配っていただきたい。

そんな暑い日本の夏には、夕涼みを兼ねた花火大会、夏祭りがよく似合う。東京では、7月25日に隅田川花火が催され、96万人もの見物客が約2万発の花火を堪能した。

東の隅田川と並ぶのが、西のPL教団の花火大会、こちらは1日に開催され、2万発と言われる花々が大阪の夜空を飾った。もう30年以上前のことになるが、サラリーマン時代に神戸のマンションからも遠望した花火も華やかだった。

ふるさと播州でも2日に加古川まつり花火大会が催され、夜空に舞う約5,000の花火に大いに盛り上がった。花火大会の前日の土曜日は夏祭りのピーク、加古川や高砂・加古郡の各所で夏祭りが行われ、私も出来る限り参加させていただいたが、盆踊りや手作りの夜店で賑わっていた。

ほとんどのイベント主催者は地域ごとの町内会連合会。そして担い手は、PTA、少年団や婦人会などの地域団体だ。住民自らが夜店や盆踊りの主体となり、そこに地域の方々がこぞって集う姿。これこそ “地方創生”の原点と言えるのではないだろうか。

今、全国各地の自治体で、人口減少に打ち勝つべく「地方創生戦略」の策定に向けた議論が繰り広げられている。先祖代々受け継がれてきた“ふるさと”の未来を拓くのは、地域住民一人ひとりの故郷を愛する心だ。国の示した指針どおりの画一的なプランは廃し、自らのアイデアで、個性あふれる、ちょっと変わった播州らしい発展方策を描いてもらいたい。

6日からは高校球児の夏の祭典が甲子園で始まる。

今年は大阪の豊中球場で行われた第1回全国中等学校優勝野球大会から数えて、100周年となる記念すべき大会だ。地方大会を猛暑の中で勝ち抜いてきた球児達の熱い戦いに、ふるさとも熱い応援を繰り広げることになるだろう。