選挙は人気投票ではない。

 先週水曜日(2日)の朝、永田町に激震が走った。
「続投の意志は固い」という前日までの報道に反し、意表を突く形で鳩山前総理が辞意を表明したからだ。

 鳩山氏が辞意を固める過程で何があったのかは次第に明らかになるだろう。だが辞任理由はともかく、問題は、1年交替の短命内閣が4代も続いている我が国政の体たらくである。このような状況では、多極化する世界政治のなかで、日本の地位が益々低下することは必至だ…。

 唯一とも言える鳩山氏のお手柄は、政権末期に社民党と袂を分かったこと、そして小沢氏を道連れに退陣したことだろう。これで、「政策不一致には目をつぶり、数の力を優先する」という与党の姿勢が多少ましになるのではないか。(そもそも民主党自体が異質な政策論者の集合体で、小沢氏が強引に束ねていただけとも言えるが…)

 辞意表明から2日後の金曜日、民主党は所属国会議員の投票により新代表に菅直人氏を選出、午後には国会で94代内閣総理大臣の指名を受けた。菅総理は(もう十数年も前のことになってしまったが)新党さきがけで苦楽を共にした旧友である。今は立場を異にしているが、まずは永年の努力に敬意を表し、総理就任をお祝いしたい。

 一連の人事で脱小沢を強調し、クリーンな民主党をアピールしたのが効を奏したのか、民主政権への支持率は前週の2割前後から6割前後へと大きく上昇した。

 この世論調査の結果は、国民が民主党に託した政権交代(=政治改革)の期待が根強く残っている証であるということを肝に銘じなくてはならない。確かに「誰がやるかより、何をやるのかが重要だ」という小泉進次郎氏の発言は的を射ている。しかし、国民の目線が自民党に戻って来ていないのも事実だ。

 今日(8日)発足した新内閣の政策方針と実力は、11日から来週にかけての所信表明・代表質問で明らかになる。外交力の安定は回復できるか?経済成長戦略に説得力はあるか?財源無視のバラマキ政策に歯止めがかかるか?社会保障制度改革の道筋は示されるか?破綻状況の国家財政をどう立て直すか?等々
 我が党同志には、堂々とした政策論戦を挑んで新政権の問題点を浮き彫りにして欲しい。

 余談だが、安倍・福田両氏の突然の辞任も、多忙な国会開会中の出来事だった。しかし、我が党はタイトなスケジュールのなか、あえて全党員参加の総裁選を行なった。

 開かれた政党である筈の民主党が、今、何故国会議員の投票だけで新代表を決めたのか…、考えてみると昨年の小沢から鳩山への代表交代も国会議員のみの選挙であった。

 それなのに地方議員や党員から不満や批判の声は聞こえてこない。これは民主党には確たる地方組織と支持者が存在しない証であり、逆に言えば、世論の風なしには戦えない民主党の姿を象徴している。

 選挙は人気投票ではない。来る参議院選挙こそは、党首の人気を競うのではなく、政党が掲げる政策の中身を競う選挙にしなくてはならない。

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