未来への責任

10月1日に臨時国会が開会した。
衆参ねじれの政治情況の中で、重要なポイントの一つは与野党協議である。
ねじれているからこそ、与野党対等な立場での協議環境が整うのだ。
菅総理も所信表明演説の中で何度も与野党の協議について言及している。

日本は今、景気の回復、社会保障の再構築、財政再建、日中関係など克服しなければならない課題が山積している。
まずは目の前の景気対策が必要という意味で、補正予算を巡っての協議が話題となっているが、より重要な課題は、いかにして持続可能な社会保障制度を設計するか(少子高齢社会への対応)だ。
この長期デフレを解決するためにも、国民の将来に対する不安を払拭し、安心して個人資産を消費に回す(=内需を拡大する)ことができる世の中を創ることが大事だ。

急速に少子高齢社会が進展する中で、与えられた時間はほとんどない。既に遅すぎると言っても過言ではない。
谷垣総裁は「まず国会で議論を。」、「マニフェストのばらまきをやめなければテーブルには着けない。」とも言われていたが‥‥。
この種の議論は結論を得るまで2~3年はかかる。だからこそ、一日も早く与野党協議をスタートさせなくてはならない。

協議会をスタートさせるにあたっては、
①安定した社会保障制度の確立を目指し、法律に基づく超党派の協議機関を設置する。
②協議会に於いては社会保障制度と税制改革の議論を一体的に行なう。
③協議テーマについては、人口構造の変化に係る年金・医療・介護・少子化対策を柱とする。
④今後、財源の裏打ちのない制度改正は行わない(=民主党はマニフェストを一時凍結する)。
以上の4点についてのみ、各党が合意すれば良いのだ。
政策の中身については、テーブルに着いてから主張し合えば良い。
党利党略を離れて、安心社会実現に向けた超党派の議論を展開して欲しいと心から願う。

それが「未来への責任」だ。

今を逃がせば次のチャンスはおそらく次回の総選挙後となってしまう。
それでは遅い。繰り返しになるが、与えられた時間はもうほとんどないのだ。