党首討論

先週、菅内閣が発足して初めての党首討論が実現した。

民主党のマニフェスト違反に言及し「新たなマニフェストを提示したうえで国民に信を問うべきだ」と迫る、自民党谷垣総裁。

マニフェストの破綻は明らかであり、国民との契約違反だとして、「どのように責任をとるのか」と問いただした、公明党山口代表。

対して菅総理は「社会保障改革の与党案がまとまれば協議に応じるのか?」、「議論もしないでまず解散では、党利優先だ」と切り返した。

4月の統一地方選挙を目前に、相手を批難し、問い詰める戦術で自らをアピールしたいのかもしれないが、それが国民の期待する建設的な議論と言えるだろうか。

双方とも従来の主張の繰り返しに終始するだけで、これでは何度やっても歩み寄りは期待できない。

そもそも地方分権、地域主権の時代、国政と地方自治の役割は明確に区分すべきだ。

地方選挙を戦う候補者は、地方自治体が主体的に展開すべき政策や主張を掲げて戦うべきなのだ。現に先日の愛知県、名古屋市の選挙を見ても、国政とは争点が明らかに異なっている。

国会は国政の役割と責任をしっかり果たさなくてはならない。「今すぐに」である。悠長に統一地方選挙の終了を待っている時間的余裕はない。

「社会保障と税との一体改革」は国家の最重要かつ緊近の課題である。

自民党も公明党も既に与野党協議の必要性は認めているのだから、環境が整えば協議のテーブルにつくことに異論は無い筈だ。

与党民主党は早急に協議の前提となる原案を作成し、党内の意見集約をしなくてはならない。

原案作成を担う与謝野大臣や柳沢氏(社会保障集中検討会議メンバー)は、かつての自民党の重鎮で、税制のプロだ。予定されているヒアリングが終われば、原案(与謝野案)のとりまとめには、そんなに時間はかからないだろう。

しかし、百家争鳴の民主党の現状を見る限り、与謝野案が即座に民主党案になるとは考えにくい。

菅総理は、仮定の質問で相手を問いただすより、まず党内の意見集約にリーダシップを発揮するべきである。

そして一日も早くを政府与党案と呼べるものを確立したうえで、野党に協議を呼びかけたら良いのだ。

それでも野党が協議を拒否するならば、その時は国民の批判の矛先は野党(自民党?)へ向かうだろう。

実現不能の公約に敗れた身としては、「マニュフェスト破綻の責任論」に即刻ケジメをつけて欲しいのは山々だ…。

しかし、民主党のマニフェストに対する評価は、次の総選挙で国民の手によって下される。

今は、国会議員一人ひとりが国民の代表であるという基本認識のもと、党派を超えて自らの信念に基づき使命をしっかりと果たさなくてはならない正念場だと私は言いたい。